前回のコラムでは「CIとは何か」について詳しく解説しました。
前回の記事→【くわしく解説】強いCIで芯のある企業に!CIの概要や構築のプロセスを解説
今回はCIを構成する要素の1つであるVIについて詳しく解説していきます。企業のブランディングにおいてVIは非常に重要な役割を果たします。しっかりと作り込まれたVIは企業の理念やビジョンを視覚的に表現し、ステークホルダーに一貫したイメージを伝えてくれます。順を追って見ていきましょう。
VIの概要
VIとは企業の個性や存在意義を視覚的に表現するためのデザイン戦略です。ロゴマークやコーポレートカラー、専用書体などの視覚的要素を統一的に設計し、一貫したイメージを発信することで、ブランドの認知度や信頼性を高めることを目的としています。
前回の記事でも触れましたが、VIはCI(コーポレート・アイデンティティ)の構成要素の1つであり、MI(マインド・アイデンティティ)やBI(ビヘイビア・アイデンティティ)と関連付けながら、企業の独自性を訴求します。
VIの要素
VIに含まれる具体的なものをご紹介します。
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ロゴマーク
企業や製品・サービスを象徴するマークのことです。ステークホルダーの目に最も入る要素であり、ブランドの認知度を高め、他社との差別化を図る重要な役割があります。
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コーポレートカラー
企業を象徴する色彩の組み合わせのことです。どの場面においてもブランドの雰囲気を醸し出し、イメージを形成してくれます。そのブランドの名前を冠した色もありますよね。
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専用書体(コーポレートタイプフェイス)
企業独自のフォントのことです。オリジナルのフォントや、使用するフォントに一定のルールを持たせることで統一感のある印象を与え、ブランドの個性の一部になります。
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画像やイラストのスタイル
写真やイラストの使用方法や表現スタイルを統一します。「このブランドのテイストはこれだよね!」「このタッチはこのブランドのもの!」など、雰囲気からブランドイメージを訴求することができます。
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レイアウトやグリッドシステム
印刷物やウェブサイトのレイアウトの基本ルールを決めます。余白の取り方やレイアウトの仕方でブランドのイメージはガラッと変わります。
VIの設計プロセス
ではVIの設計はどのようなプロセスで行われているか見てみましょう。
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現状分析
企業の理念やビジョン、ターゲット、競合他社の動向などを分析します。「何故VIの設計を行う必要があるのか」など、ブランドの現状や課題を明確にし、VI設計の方向性を決定します。
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コンセプトの策定
VIのコンセプトを明確にし、デザインの方向性を決定します。現状分析で洗い出された情報を基に、ブランドの個性や価値観を視覚的にどう表現するかの核となるコンセプトを設定します。
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デザイン要素の開発
コンセプトを基に、ロゴマーク、コーポレートカラー、専用書体などのデザイン要素を開発していきます。デザイナーの腕の見せどころですね。
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アプリケーションの設計
企業やブランドとステークホルダーの接点になるツールのことを「アプリケーション」と言います。名刺、封筒、看板、ホームページ・Webサイトなどがこれにあたり、それぞれ統一感を持たせてデザインしていきます。
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ガイドラインの作成
VIの運用ルールをまとめたガイドラインを作成します。社内外の関係者が適切にロゴマークやコーポレートカラーなどのVIを活用できるよう、詳細な指針を示したものを用意します。
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導入と浸透
設計したVIを導入し、浸透させるための施策を実施します。広告や社内報、SNSなどを通じて、VI刷新の周知を促進しましょう。
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評価と改善
VIの運用状況や効果を定期的に評価し、必要に応じて改善を行います。ブランドを取り巻く環境の変化に合わせて、VIも柔軟に変化させていく必要があることを頭に置いておきましょう。
VIの効果と重要性
魅力的なVIが企業やブランド、受け取り手である顧客にどのような効果をもたらすのか見ていきましょう。
- ブランドの差別化
- ブランドの認知度向上
- 信頼性の向上
- 社員の一体感醸成
独自性の高いデザインにより、競合他社との差別化を図ることができます。VIを通じて企業の理念やビジョンを視覚的に伝えることができるので、ステークホルダーの中に好印象のブランドイメージを形成します。「良いもの」が溢れている市場において、視覚的な訴求力を高め、唯一無二のブランドとしての存在感を高めることが期待できます。
一貫したビジュアルイメージにより、ブランドの認知度を高めることができます。ロゴマークやコーポレートカラーがブランドの象徴として機能し、あらゆるタッチポイントで広告として機能してくれます。
統一感のあるデザインにより、企業の信頼性を高めることができます。細部のデザインにまでこだわりが感じられると、プロフェッショナルで洗練された印象を与えることができ、ブランドや商品を選択する際に、選んでもらえる1つのポイントになります。
VIを通じて社員の帰属意識やモチベーションを高めることができます。一体感のある組織を形成することは質の良い商品やサービスを提供することにつながり、顧客の満足度を上げることにもなります。
まとめ
VIとは何かということと、その重要性が理解できたかと思います。長くなったのでここまでをサクッとまとめてみましょう。
VIは企業の理念やビジョンを視覚的に表現し、ブランドイメージの構築と強化を図るためのデザイン戦略です。ロゴマーク、コーポレートカラー、専用書体などの視覚的要素を統一的に設計し、一貫したイメージを発信することで、ブランドの差別化や認知度向上、信頼性の向上などの効果が期待できます。
現代のビジネス環境において、VIはますます重要性を増しています。物や情報が溢れかえる中で、視覚的な訴求力を高めることがブランドの差別化や認知度向上、信頼感の構築に不可欠だからです。デジタル化の進展により、VIの適用範囲も拡大しています。ホームページ・WebサイトやSNS、アプリケーションなど、デジタル上での企業の存在感を高めるためにも、VIの戦略的な活用が求められています。
VIの設計には、企業の理念やビジョンとの整合性、独自性、一貫性、拡張性などが求められます。トップマネジメントのリーダーシップのもと、全社的な取り組みとして推進していくことが、ブランドの長期的な成長につながるでしょう。単なるデザインの話ではなく、企業の存在意義や価値観を視覚的に表現するための重要な経営戦略の1つがVIなのです。
Ait DesignはVI制作のプロフェッショナルです!ロゴマークやホームページ・Webサイトのデザインはもちろん、コンセプト設計やマーケティング戦略なども行っています。何かお役に立てることがあれば是非お問い合わせください!
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