【くわしく解説】強いCIで芯のある企業に!CIの概要や構築のプロセスを解説

前回はブランディングの中でも意味が混同されがちな「CIとVIの違い」について簡単に解説しました。それぞれが指す範囲や役割に違いがあることが何となく分かったかと思います。
前回の記事→【かんたん解説】CIとVIは似てる?2つの違いについて簡単に解説
VIについての記事→【くわしく解説】VIはなぜ重要なのか。VIの概要や重要性を解説

今回はさらに踏み込んで、CIの概要、構成要素、構築プロセス、効果と重要性について、順を追って詳しく説明していきます。

CIの概要

改めてCIとは何かを確認しましょう。
CIとは、企業の個性や存在意義を統一的に表現するための戦略です。企業の理念、価値観、行動指針などを明確に定義し、経営者や従業員、顧客や取引先など、いわゆるステークホルダーに一貫したメッセージを発信することで、ブランドイメージの構築と強化を図ります。

CIの構成要素

CIは、以下の3つの要素から構成されています。

  1. MI(マインド・アイデンティティ)

    社員の意識や行動の基盤となる、企業の理念、価値観、文化などを言語化したもの。具体的には、経営理念、ビジョン、ミッションなどが含まれます。

  2. BI(ビヘイビア・アイデンティティ)

    先程のMIを具体的な行動に落とし込んだ、企業の行動指針や社員の行動規範のこと。接客マニュアルやCSR活動などがこれにあたります。

  3. VI(ビジュアル・アイデンティティ)

    企業の理念やビジョンを視覚的に表現したもの。ロゴマーク、コーポレートカラー、専用書体などを指します。ホームページ・Webサイトなど、様々な顧客との接点において統一感のあるデザインを用いることで、ブランドの認知度や信頼性を高める効果があります。

これら3つの要素は互いに関連し合っています。企業として一貫性のあるメッセージを発信するために、それぞれを結びつけた考え方が必要です。

CIの構築プロセス

では実際にCIを構築する際のプロセスを見ていきましょう。

  1. 現状分析

    企業の現状や課題を把握するために、ヒアリングやワークショップなどを通して社内外の調査を行います。自社の強みや弱み、競合他社の動向、社会環境の変化などを分析していきます。

  2. 理念の明確化

    現状分析や社長の想いなどを基に、企業の存在意義や目指すべき方向性を明確にします。経営理念、ビジョン、ミッションを言語化し、企業という大きな木の芯の部分を策定します。 ここがフワッとしてしまうとCI構築全体がゆるくなってしまうので、しっかりとした理念を定めるようにしましょう。

  3. MI、BI、VIの設定

    理念に基づいて、MI、BI、VIを策定します。MIとBIは分かりやすく言語化することを意識して設定します。VIはデザイナーと密にコミュニケーションを取りながら進めていくと良いでしょう。

  4. 社内外への浸透

    策定したMI、BIを社内外に浸透させるために、各種の施策を実施します。社内向けには、研修や社内報などを通じてCIの理解を促進します。社外には広告やPR活動などを通じて、ブランドイメージの構築と強化を図りましょう。

  5. 評価と改善

    CIを一通り構築し、社内外への浸透の施策を行って終わりではありません。CIの浸透状況や効果を定期的に評価し、必要に応じて改善を行うことも視野に入れなければなりません。ロゴマークなどはそう何度も変えるものではありませんが、ブランドイメージはゆっくりじっくり育てていくもの。社会環境の変化や企業の成長に合わせて、柔軟にCIを進化させていくことも頭に入れておきましょう。

CIの効果と重要性

上記のプロセスを経て、素敵で効果的なCIを構築できたとします。その結果としてどのような恩恵が得られるのかを挙げてみます。

  • ブランドイメージの構築と強化
  • 一貫したメッセージを発信することで、ブランドの認知度や信頼性が高まります。他社との差別化を図り、競争に勝つ、もしくは独自の路線で突っ走ることによる独壇場を生み出すことができます。

  • 社員の一体感と 求心力の向上
  • 共通の価値観や目標を持つことで、社員の一体感が強まり、働くモチベーション が向上します。いくら良い商品、良いサービスを持っていても、それを造る人や伝える人のやる気がないと意味がありません。「素敵な企業、素敵なブランドで働いている!」という意識が組織の結束力を高め、業績の向上にもつながります。

  • ステークホルダーとの関係性の強化
  • 一貫したメッセージを発信することで、ステークホルダーからの理解と信頼が得られます。企業の社会的な評価が高まり、市場におけるブランド価値の向上にもつながります。グローバル化や情報化の進展により企業間の競争が激化する中で、自社の存在意義や価値観を明確に打ち出し、ステークホルダーとの関係性を強化することが求められています。

まとめ

ここまで長々と説明してきましたが、改めてCIについてまとめてみましょう。
CIは企業の個性や存在意義を統一的に表現するための戦略であり、MI、BI、VIの3つの要素から構成されます。CIを効果的に構築し、社内外に浸透させることで、ブランドイメージの構築と強化、社員の一体感と求心力の向上、ステークホルダーとの関係性の強化などの効果が期待できます。

現代の企業経営において、CIはますます重要性を増しており、競争力の強化や持続的な成長のために不可欠な戦略となっています。自社の理念や価値観を明確に打ち出し、一貫したメッセージを発信することで、強固なブランドを構築し、ステークホルダーからの信頼と支持を獲得することが求められています。

CIは単なるデザインの話ではなく、経営戦略の根幹に関わる重要な概念です。トップマネジメントの強いリーダーシップのもと、全社的な取り組みとしてCIを推進していくことが、企業の長期的な成功につながるでしょう。

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